「人生のダンス」という合宿を終えて

「人生のダンス ~喜びに満ちた智慧への旅」という壮大なタイトルをつけた3日間のプロセスワーク合宿が、昨日終わった。
 マインド(思考)だけでは捉え切れない人生の出来事に、3つのリアリティレベル(合意的現実、ドリームランド、エッセンス)で出会い直し、その美しさを体感した豊かな時間だった。

人生からのギフトを味わう

 合宿を終えて実感しているのは、私たちの人生にやって来た出来事はすべて智慧に満ちているということ。たとえ辛かったことであっても、一つひとつが私たちの人生の大切なギフトになっているということだ。
 合宿の中のワークでは、人生の中でとても辛かった経験から何を受け取ったのか、自分という存在のネイチャーはどんなものか、を探求した。ただし、それらを普段慣れ親しんでいる「マインド(思考)」で解釈するのではない。ドリーミングと呼ばれる私たちの中にあるものを入口に、繰り返し体感し、味わうことになった。

自分にとってリアルな現実~ドリーミング

 一人ひとりが抱えている人生の出来事には、「いつ、どこで、だれが、どうした(5W1H)」というような事実(合意的現実)だけではなく、他の誰かにとってはうかがい知ることのできない、その人にとってリアルな感覚や感情を伴っている。そうした感覚や感情、価値のようなものを「ドリーミング」とプロセスワークでは呼んでいる。
 私たちが様々な出来事を捉えるとき、このドリーミングが人生にとても大きな影響を与えているのではないだろうか。私たちはドリーミングをとおして人生を見ているのだから。けれど、私たちのマインドは、あるときは自分の感情をなかったことにしたり、その出来事自体をないことにしたりさえする。実は、顕在意識では気づいていない大切な何かをドリーミングは教えてくれるのだ。

自分のパワーに気づく

 合宿では、様々なワークやアクティビティを行って、私たちが意識していないけれど、確かにそこにある・あったドリーミングに触れ、そこから智慧を受け取ることを、繰り返し、繰り返し体験した。ドリーミングに触れることに最初は抵抗感があったり、気づくことすら難しかったりするのだけれど、次第に好奇心を持って見ていくと、その時そこにあった感情や願いを「あった」と受け入れていく。そこに「なかった」ことの嘆きもそのまま受け入れられる。その時、その時にベストを尽くした自分にYesと言える。
 そうして、自分のドリーミングの奥にある質のようなもの(エッセンス)にたどり着いていく。その質に触れ体感することで、そこから大切なメッセージや智慧を得ることができるようになる。
 その出来事から自分が得た能力や気づき、智慧や願いが見えてきて自分のパワーに気づいていくと、ここまで歩いてこれた自分の道のりを祝うことができるようになる。そこにギフトがあったと気づく。ここまで人生に育まれてきた”自分のネイチャー”にYesと言える。そして自分のこれまでの人生にYesと言えるようになるのだ。

すべてはつながっていて意味がある

 ドリーミングを手がかりに、小さな子どもの頃から今までの出来事をふりかえってみると、驚くほどすべてはつながっていて、私たちはプロセスに導かれるようにを人生を形づくってきたことがわかる。
 一見、バラバラに起きていた出来事に見えていたものが、一連の物語のようにつながっていて、人生の大きな流れが見えてくるのだ。その出来事があったからこそ、生まれた流れがある、パワーがある。そして、どの出来事にも意味があったと思えてくる。
 タペストリーのような自分の人生の美しさに気づいた時、私たちは何とも言えない安堵感と静かな喜びに満たされる。

その人らしさを最大限に生きる

 学びと気づき、体験が深まるにつれ、まるで美しい様々な花が開いていくように、合宿参加者の内側から、そして表情や姿から、命の美しさと喜びが溢れてきた。
 人が自分の人生を受け入れ、その意味と不思議に触れて、自分の本来の姿に帰るとき、その人らしさを最大限に生きることができるのではないだろうか。私は、一人ひとりの笑顔を見てその美しさに心打たれた。それは、至福の時間だった。

ドリーミングとともにプロセスを生きる

 人生のダンスは、喜びに満ちた智慧への旅だ。そのプロセスは未知なるものだが、決してこわくて耐え難いものではない。目に見えるものだけではなく、そこにあるドリーミングとともに生きるとき、未知のプロセスは智慧に満ちたものとなる。好奇心とともに、プロセスを生きるならば、そこに必ず気づきと喜びが現れる。たとえ、そのとき希望がないと思えたとしても、プロセスは私たちをどこかへと連れて行ってくれるのだ。

この合宿を開催し、そこに参加できて、本当によかった。
参加した人々の人生と出会えてよかった。
お互いの歩んできた道のりが、人生の不思議と希望をリマインドしてくれた。この合宿が、また次なるプロセスへの転換点になるように感じている。
関わってくれたすべての人、だれよりもDayaと、ここで起きたすべてのプロセスに感謝。